12/15/2009

ケイト・ブランシェット主演『欲望という名の電車』のチケットのお値段

ブロードウェイでチケットがとりにくくて有名なショウといえば、相変わらず『ウィキッド』("Wicked")や『ジャージー・ボーイズ』("Jersey Boys")、新しいところじゃ『リトル・ダンサー』("Little Dancer")ってな感じだ。

ひょっとしたら、13日にオープンしたばかりのキャサリン・ゼダ=ジョーンズ(Catherine Zeta-Jones)とアンジェラ・ランズベリー(Angela Lansbury)の『リトル・ナイト・ミュージック』("A Little Night Music")や、年末にプレビューが始まるリーヴ・シュライバー(Liev Schreiber)とスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)の『橋からの眺め』("A View From The Bridge")もスターパワーですぐにチケットが取りにくくなるかもしれない。

しかし、ブロードウェイからもう少し範囲を広げ、ニューヨークでチケットが取りにくいショウといえば、今はもちろんケイト・ブランシェット様(Cate Blanchett)がブランチを演じる『欲望という名の電車』("A Streetcar Named Desire")だ。

いや、「取りにくい」どころか全く取れない。

現在、ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック(Brooklyn Academy of Music)、通称BAMで上演中の『欲望』は、ブランシェットが共同芸術監督を務める、オーストラリアのシドニー・シアター・カンパニー(Sydney Theatre Company)の引っ越し公演である。

ワシントンDCに引き続き、11月27日から12月20日までの期間限定で上演中だ。

『欲望という名の電車』
ジョエル・エドガートン(Joel Edgerton)と ケイト・ブランシェット

photo by Lisa Tomasetti

19世紀半ばに設立されたBAMは、毎年世界中からパフォーミングアーツのよりすぐりをニューヨークに紹介してくれる、誠にありがたい非営利団体だ。2006年の春にシドニー・シアター・カンパニーを招いてイプセンの『ヘッダ・ガブラー』("Hedda Gabler")を上演したのもBAMで、主役ヘッダを演じたケイト・ブランシェットのニューヨーク舞台デビューとなった。

その『ヘッダ・ガブラー』のチケットも早々に完売していたが、今回の『欲望』のチケットも、一般発売(注1)が9月に始まるや否や、すぐに完売してしまった。

従って、チケットを買い損ねた人は、気の毒にも行けなくなった人から個人取引で買うしか手が無い。

そこに来て、12月3日付のニューヨーク・タイムズで『欲望』が大絶賛されたもんだから、今まで興味を持っていなかった人まで「見たい」という欲望を持ち始め、それが個人取引のお値段を跳ね上げてしまった。

BAMでは$30、$60、$95(週末はそれぞれ$40、$80、$120)というリーズナブルなお値段で売られていたチケットが、今や席によっては$2500ドルの値がついている。

まさに元値の20倍以上。信じられない高騰ぶりである。

実は、この週末に観に行く予定にしているわたしが押さえた席は、かなりしょぼい。そう、そのとおり、$40の席だ。

しかし、この席でさえ、残すところあと数回の公演のみとなった今は、どうやら数百ドルで売れるようなのだ。

本当のところを言うと、『欲望』好き、ブランシェット好きのわたしとしては、少しくらいプレミアを払っても良いから、他の日の良いお席のチケットも買って2回観ちまおうかなーと個人取引サイトをのぞいていた。

11月下旬のその頃の相場は、オーケストラ席で400〜600ドルというところ。確かに400ドルというのは痛いが、$1=90円だし、ブロードウェイの劇場でプレミアムチケットを買うようなもんだし、考慮しても良いかもしれない。

ただ、売られているチケットはどれもこれも2枚ペアばかりで、1人で見る予定のわたしの場合は2倍支払うことになる。

「いやいや、いくらなんでもそこまで出せない。ギリギリになったら余ったチケットをバラ売りするはずだし、値段も下がるかもしれない。」

と、個人取引サイトを利用した事が無い甘ちゃんのわたしは、暢気にそう考えて買うのを待った。

そして異変に気付いたのは、12月3日にニューヨーク・タイムズで劇評が出た数日後のこと。

なんだか値段が少しずつ上がって来ているじゃないか!

公演回数が少なくなればなるほど、数字は大きくなり、とうとう2500ドルってなチケットまで出て来てしまった。

しまったぁーっ!
あの時、ペアチケットを買って、1枚を転売すれば良かったーっ!
そうすりゃ元が取れたどころか、BAMの美味いブラウニーだって買い占められたかもしれないのにぃーっ!

後悔先に立たずで、今やチケットは宝くじでも当たらなきゃ買えないお値段だ。しかも、年末ジャンボじゃもう間に合わない。

「あーあ。$2500のチケットが買えるなんて、マーティン・スコセッシくらいしかいないよ。(注2)」

嘆いていたわたしは、先日ニューヨーク・タイムズにこんな記事が掲載されているのを見つけた。

なんでも、この『欲望』をブロードウェイに持って来ようと画策しているプロデューサーがいるんだそうな!

実現にはかなりたくさんの障害があるようで、持ってくるのはどうやら厳しそうではある。
でも万が一ブロードウェイにやってくることになれば、その時には是非ともかぶりつきの席で見たいもんだぜ!

そうでしょ、スコセッシ監督!


<オマケ>
ちなみに、シドニー・シアター・カンパニーは来年の11月〜12月、本拠地にてブランシェット主演でチェーホフの『ワーニャ伯父さん』("Uncle Vanya")を上演する。『ヘッダ・ガブラー』と同じく、ブランシェットの夫アンドリュー・アプトン(Andrew Upton)の新脚色版で、共演もヒューゴ・ウィーヴィング(Hugo Weaving)。これもそのうちBAMに来るかもしれない。


注1:BAMは、年会費を払ってBAMをサポートしてくれるメンバーに各種チケットを先行販売する。また、シーズン中の演し物を一定以上サブスクライブする人にも先行販売してくれる。その残り物が一般販売されるというわけで、最上席はメンバーで且つサブスクライブする人の手に入る仕組みになっている。

注2:ニューヨーク・タイムズのこの記事によると、BAMでは毎日、チケットは無いかという問い合わせの電話が鳴り止まず、かのマーティン・スコセッシ監督もこの金曜に観たいから席を用意してほしいと言ってきたそうだ。
スコセッシ監督には資力がおありだろうから、誰かに2400ドルばかり儲けさせて観劇していただきましょう。



欲望という名の電車 (新潮文庫)欲望という名の電車 (新潮文庫)
小田島 雄志

新潮社 1988-03
売り上げランキング : 7346
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット スペシャル・エディション [DVD]欲望という名の電車
オリジナル・ディレクターズカット スペシャル・エディション [DVD]
テネシー・ウィリアムズ

ワーナー・ホーム・ビデオ 2006-05-12
売り上げランキング : 100793
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

0 comments:

コメントを投稿