ローリー、ダーラム、チャペルヒルを中心とした学術都市一帯のことを指し、単にザ・トライアングルとも呼ばれているらしい。
そのトライアングル・エリア初の日本語生活情報誌「トライアングルT-shot!」に、1年前から毎号エンターテインメント情報記事を寄稿している。
主にトライアングル・エリアやその近辺で上演されるナショナル・ツアー版のブロードウェイ・ミュージカルの紹介記事を書いているのだが、発行が隔月なため、発行時期と上演時期が合わないミュージカルについてはオンライン版への掲載となる。
で、この3月にそのオンライン版に掲載となったのが、2007年のトニー賞を8部門受賞したミュージカル、"Spring Awakening"(『春のめざめ』)。"Spring Awakening"については、NY情報を発信しているオンラインマガジンのNY Nicheでもその昔に紹介したが、大人の都合で性について無知のままに置かれた子ども達に起こる悲劇を描いた作品だ。
そのせいか、この記事の掲載についてT-shot!の編集長さんとやりとりをしている時、自分がいつ頃どうやって性について知り、性教育されたかという話になった。
わたしの場合ははっきりしていた。
確か7歳ぐらいの頃、親に一冊の絵本を買い与えられて教育されたのだ。
今でもはっきり覚えているその絵本のタイトルはズバリ、『ぼくどこからきたの?』。
"Spring Awakening"の冒頭で、14歳の少女ヴェンドラが母親に教えてくれとせがむ問いと良く似た問いだ。
『ぼくどこからきたの?』は外国の絵本を翻訳したもので、男と女の身体の違い、セックスって何か、どうして妊娠するのか、赤ちゃんはどうやって生まれてくるのかを、正直且つ丁寧に、ユーモラスなイラストとわかりやすい言葉で描いていた。
今回ネットで調べてみて初めて知ったが、この絵本の著者はピーター・メイル(Peter Mayle)。そう、南仏プロヴァンスもので有名な、あの作家である。
7歳児は著者の名前など頓着しないのが普通だろうだから、ピーター・メイルの名前が記憶に残っていなかったのも仕方があるまい。
しかし、7歳児の記憶にしっかりと残ったのは、この絵本そのもの。
そして、子ども5人を引き連れた我が父と母が、子ども達に1冊ずつ本を買い与えるために街で一番大きい本屋に立ち寄り、ピーター・メイルのこの絵本を見つけて買い求め、本屋の向かいにある馴染みの中華料理屋で肉団子の甘酢あんかけと春雨のスープが出来上がるのを待つ間、自分が選んだ本よりも親が買ったこの絵本をまずテーブルに広げて読み始めたわたしをチラチラ見ていたことである。
食事前に裸の男女がベッドでもつれ合うイラストを熱心にみつめるわたしの将来に、両親が不安を覚えていた故のチラ見であったのかどうか、それは定かではない。
しかし、この絵本と、春にめざめるよりも随分前にこれを買い与えてくれた親のおかげで、わたしの思春期が"Spring Awakening"に登場する子ども達とは全く違うものになったということは断言できる。
今回ネットでちょこっと検索してわかったのは、素晴らしいことにこの絵本が今も出版されているということ。
お年頃の子どもを持つ皆さん、こいつは一家に一冊の必需品ですぜ!
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